皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回お譲りいただきましたお品物は、隠崎隆一 作『備前 茶碗』でございます。
隠崎隆一は長崎県生まれの備前焼作家です。大学卒業後はグラフィックデザイナーとして活躍していましたが、立体的な表現を求めるようになり陶芸の道へと進みました。
隠崎作品の特徴は、その独特の造形にあります。ろくろの土を自在に変形させた作品は、見る角度によってその表情を変え、隠崎作品ならではの個性となっています。
本作は、隠崎の造形美がよく表れた茶碗の作品です。通常の茶碗は腰から胴、口にかけて広がるように造形されますが、本作は腰より口が狭いかたちとなっております。不規則な焼き色もあり、屈強な岩のような印象を受けますね。茶器としてはかなり特異であり、一目で隠崎隆一作品だと判別できる、独自性の溢れたお品物です。
今回は有名な備前焼作家の焼き色の良い茶碗作品であり、専用の箱が揃っていたこと、傷等も無く綺麗な状態でお譲りいただきましたことを考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。