田能村直入 『南画』

皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。

今回お譲りいただきましたお品物はこちら。田能村直入 作の南画掛軸でございます。

南画は中国の南宋画に由来する日本の絵画様式であり、文人画とも呼ばれます。江戸時代中頃に発展し、一大画派となりました。

田能村直入は幕末・明治の日本画家であり、南画の振興に尽力した人物です。
1814年、豊後国・岡藩(現大分県竹田市)に生まれ、親戚の伝手で南画家・田能村竹田の画塾に入門します。そしてすぐにその才能を認められ、竹田の養嗣子となりました。
明治期には京都を拠点に南画振興に努め、1896年には富岡鉄斎らと日本南画協会を設立しています。中国古典の深い知識と、竹田より学んだ南画の技術でつくりあげられる作品の評は高く、日本最後の文人画家と呼ばれます。

本作は山水の風景と人々の生き生きとした様子が描かれた作品です。目立つ欠損もなく保管されていましたため、こちらの評価とさせていただきました。
掛軸は破れやシミの状態で評価が変動しやすいお品物です。欠損が見られる場合でも、取扱いは可能となりますので、整理の際はお気軽にお問い合わせくださいませ。