秦蔵六は江戸時代末期から続く金工家で初代蔵六は鉄瓶などで有名な龍文堂で弟子として腕を磨き、その後中国の周漢時代の銅器について研究しました。現在では六世が日本に屈しの金工師の一人として活躍しております。今回のお品物は三世の作品で、三世蔵六は明治後期~昭和初期にかけて活躍しました。
こちらの茶托は主に煎茶の道具として使われ、煎茶碗の下に敷く洋食器で言うソーサーのような役目をするものになります。また、煎茶器の中でも茶壷や茶托は錫を使った物も多く、そういったお品物は人気が高い傾向にあります。
今回のお品物は5客の茶托で、それぞれに蟹や蛸など海の生き物の図が彫られており、モチーフによっても大きく評価は変わってきます。また箱のないお品物ではありましたが、状態も良く人気の錫製の煎茶器でしたので今回の評価とさせて頂いております。