皆様、こんにちは。緑和堂大阪支店です。
今回ご紹介するお品物はこちら、大森金長 造 『南鐐平棗』に武者小路千家十二代・愈好斎の書付がされたものです。
こちらは大阪市西区のお客様よりお譲り頂きました。
武者小路千家は茶道三千家の一つです。
その歴史は古く、千利休の曾孫にあたる一翁宗守から始まる大家です。
同じ千家である表千家、裏千家と切磋琢磨しつつ、長い歴史の中でお互いに協力し合い発展しました。
そんな武者小路千家十二代家元である愈好斎も幼少期から成年まで表千家で養われ、その後には武者小路千家を再興させた人物です。
その武者小路千家のお抱えの作家として、大森金長がいます。
金長は武者小路千家からの依頼で多くの茶道具を生み出した錺師です。
錺師とは金工細工師のことで、金属加工が生業とするものを指します。
今回のこちらの作品『南鐐平棗』は、まさに金長の腕の冴えが光る逸品です。
外側はいぶし銀が渋く、開ければ銀の輝きが照らします。
そこに蓋裏の愈好斎の花押の赤色がエッセンスとして加わり、美しさも兼ね備えています。
使う側にも茶の湯に対する覚悟が求められるような、そんな気品のあるお品物のように感じます。
棗が平棗であること、素材や共箱、書付、状態などから判断して、今回の評価となりました。
緑和堂では大森金長や愈好斎をはじめとする茶道具、金銀製品など広いジャンルを取り扱っています。
お品物の処分などご検討の際は是非緑和堂にご相談ください。