こちらは井上素三 作『朱泥 ぐい吞み 5客』です。
井上素三は、初代から四代まで続く常滑焼の名家で、特に急須やぐい吞みなどの茶器制作で知られています。初代は南蛮泥を用い、伝統的な海老や亀の造形を得意としました。
三代目は、ぐい吞みに人形を組み込む独特の作風で人気を博しました。四代目は、三代目の特徴を継承しつつ、急須の口にも細工を施すなど、独自の作風を確立しました。
今回のお品物には、ぐい吞の内部に亀・海老・河童・蟹・魚の装飾が施されており、非常に愛らしく、細やかなデザインが魅力的です。状態も非常に良好で、専用の箱も付属していたため、こちらの評価とさせていただきました。