前島秀章は静岡県出身の彫刻家で、幼少期から絵を描くのが好きでしたが16歳の頃に運慶・快慶の作品に感銘を受け立体作品への関心を強く持つようになります。
その後も独学で木彫り作品の制作に打ち込みますが、25歳の頃に十二指腸潰瘍で胃を摘出する大きな手術を経験します。当時は制作しても売れない状態が続いていたこともあり一時はやめることも考えていましたが、病を経て「生きる喜び」を強く感じたことで、作品にその思いを込めるようになったといいます。
その後ニューヨークでの個展なども経験し、純粋で無垢な作風は海外からも高い評価を受けています。
今回の「無邪鬼」は無垢な心を持った鬼がモチーフにされており、その優しくも豪快に笑う表情は前島秀章独特の「幸福感」を強く感じることのできる作品となっております。
こちらのお品物は箱の状態も非常に良く、作品自体にもシミなどは見られなかった点も含めて今回の評価とさせて頂きました。