皆様こんにちは、緑和堂東京支店です。
本日ご紹介する作品は、清瀬一光作 「扇秋草蒔絵 平棗」になります。
清瀬一光は、加賀蒔絵を代表する作家です。
加賀蒔絵とは江戸時代に加賀藩で作られた蒔絵技法の事を言います。金だけで奥行きや遠近感を表現するのが特徴で、金粉を蒔く量を細かく調整したり、磨く工程を繰り返したりしながら模様を立体的に浮かび上がらせていきます。同じ工程を何度も繰り返し仕上げる蒔絵は、高級感と繊細さが合わさった優美さを感じることができます。
清瀬一光は当代で二代目となり、初代の長男の方が二代目「清瀬一光」を襲名されています。
二代は「加賀蒔絵」の伝統を守りながらも様々な新しいことに挑戦しております。
今まで一般的に蒔絵というと、木製の漆器に施されることが多かったです。しかし二代は他の素材にも蒔絵を施すことに挑戦し、ガラスやべっ甲、象牙などに蒔絵を施した作品を作り上げました。この挑戦によって「加賀蒔絵」の技術を向上させたとして評価が高まり、平成7年に二代は通産大臣認定伝統工芸士となりました。
現在は「金沢漆器」「加賀蒔絵」の魅力、文化を広く世界へ広めると共に次の世代へ向けて後進の育成に尽力しています。
今回のお品物は、清瀬一光の二代の比較的新しい作品となっています。加賀蒔絵の奥行きを感じることができ、梨地も美しい作品です。状態も良く二重箱にてしっかりと保管されていたことから、こちらの評価となっております。