皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回お譲りいただきましたお品物はこちら。熊野九郎右衛門 作『灰海 徳利』でございます。
熊野九郎右衛門は1955年に生まれ、福井県鯖江市出身の陶芸家です。
地元北陸で活動する一方、ドイツやサハリンへの招待をはじめとして海外でも積極的に講演などを行い、近年では全国的に個展が開かれております。
焼き物と化け物の境界を探求するという命題のもと、主に越前の土を用いて作られる茶器や酒器は、野性的で力強い造形を持ちます。焼き物でありながら、生命力に溢れたその作風からは、他では見られない迫力が感じられるでしょう。
本作は徳利の底が二重になり、そこに釉が溜まるような、かなり奇抜な造形のお品物となっております。しかしながらオブジェ的ではなく、徳利としての機能性とともに猛々しさを感じさせる九郎右衛門の美学が表れた作品です。
今回は作品の状態が良く、共箱もあわせてお譲りいただきましたことを考慮しましてこちらの評価とさせていただきました。