皆さんこんにちは、緑和堂東京支店でございます。
今回ご紹介致します作品は、島根県生まれの陶芸家船木研兒の『湯呑』です。
船木研兒は1927年島根県に生まれ、父船木道忠も陶芸家として活躍していました。船木家は江戸時代から布志名焼を制作してきた歴史を持ち、研兒は布志名焼舩木窯の五代目となります。
布志名焼は、江戸時代の中頃陶工の舩木与次兵衛村政が布志名へ移り住みその三人の子供が窯を築いた事が布志名窯のはじまりです。そのうちの一家が分家したのが舩木窯で、直系で続く島根の窯元としては一番歴史のある窯といわれています。
船木研兒は父の元ではやくから作陶を始め、陶芸家である濱田庄司に師事し更に技術を磨いていきます。イギリスに渡りバーナード・リーチやデビット・リーチの窯で作陶を学びました。この頃からヨーロッパなど世界各地で古くから作られているスリップウェアの技法を取り入れていくようになります。お皿や陶板に動物や魚などの絵柄が書かれているモチーフは、船木研兒作品の代表的な作品になります。現代日本陶芸展や第三回茶の湯造形展、田部美術館大賞展などで多くの受賞経験もあり、今でも人気のある作家さんです。
今回の作品は日常使いしやすい湯呑の作品で、全体的に淡い色合いの釉薬が目を引く作品となっています。各所に文様が彫られており、鑑賞するだけでも楽しめる仕上がりとなっています。作品・共箱どちらも状態が良く綺麗な状態でのお持ち込みの為、今回の評価となっています。