中島宏 作 『天青湯呑』

皆様、こんにちは。緑和堂東京支店でございます。
今回ご紹介する作品は、中島宏作『天青湯呑』になります。

中島宏は青磁で国の重要無形文化財に認定された佐賀県出身の陶芸家です。磁器を焼く窯元に生まれた中島宏は、家業を好きになれずにいました。そんな中島宏の転機となったのは、父親に連れられていった窯跡の調査でした。古唐津や染付の中に交じっていた青磁の破片にきらりと光るものを感じ、その魅力に惹かれていきました。

周囲から青磁は難しいといった声を受けながらも、手探りで青磁の制作に取り組んでいき、多様な形状と色合いや青磁の美しさを引き出しました。その技術力にて「中島青磁」「中島ブルー」と呼ばれ、独特な作品を製作し高い評価を受けてきました。中島宏は作品を創造する喜びを自分だけの作品という快感と表現しております。常に白紙からスタートするといった姿勢は作風にも表れており、青磁の世界に新たな可能性をもたらしました。独自の世界観を感じるスタイルを高く評価され、2007年には重要無形文化財保持者(人間国宝)と認定されました。

今回のお品物も、中島宏の特徴である青磁独特の色合いがしっかり出た作品となっています。色を重ね鮮やかな青を表現した作品は美しさが際立っています。保存状態が良く綺麗であり、専用の箱があり、作品の欠品などもないのですが、今作は湯呑作品となり、作品自体のサイズが小さめの為、若干評価額が下がり上記の評価額となりました。