黒田重太郎 『百合と薔薇』

皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。

今回ご紹介するお品物はこちら。黒田重太郎 作『百合と薔薇』でございます。

黒田重太郎は1887年生まれ、滋賀県大津市出身の洋画家です。

生まれは大津市ですが、黒田は幼いころより大阪で生活しておりました。17歳の時に京都で洋画家・鹿子木孟郎に師事し、翌年には明治期を代表する洋画家・浅井忠の門に入りました。
その後は二科会を中心に活躍し、戦後は正宗徳三郎、鍋井克行らとともに二紀会の結成にも携わっております。

黒田の作品は、優れた写実性と重厚に表現された色彩の質感が特徴的です。
本作は1951年制作の、黒田の代表的な「花」をモチーフとした油彩画です。白の百合と薔薇が中心となり、ハリのある美しい生け花が描かれております。細やかで情緒的な色彩が見事な作品ですね。

今回は有名作家による代表的なモチーフの作品ですが、作品や額に割れなどの劣化が見られ、状態が芳しくなかったことも考慮しましてこちらの評価となりました。