皆さんこんにちは、緑和堂東京支店でございます。
今回ご紹介致します作品は備前焼の作家森陶岳の作品『ゆのみ』です。
森陶岳は岡山県出身の陶芸家で岡山県指定の重要無形文化財保持者です。
岡山県の伊部地区で古くから備前焼を制作している窯元の総称「備前六姓」の家系に生まれ、古備前の魅力を追求しその再現を目指して作陶を続けてきました。小さな窯では古備前の魅力の再現はできないと大窯での制作を続け、兵庫県の山中に全長46mの登り窯を築きました。50日以上もの間窯を焚き大甕など多くの作品を焼き上げました。その後1983年に岡山県へ移り、全島53mの窯「寒風大窯」を築き1986年から2011年の間に合計6回作品を制作しました。
1997年からは全長85mにもなる「寒風新大窯」の築窯を進め、弟子たちと知識や技術を駆使し2008年完成させました。
1969年から1971年まで同じ陶芸家である江崎一生と加守田章二との3人で毎年開催していた「三人展」では、出品されていた作品が東京国立近代美術館と京都近代美術館に買い上げとなりました。作家としてだけでなく作品としても高く評価されていた事がうかがえます。
今回の作品はゆのみの為、造りも非常にシンプルで日常使いしやすいで仕上がりとなっています。作品だけなく、共箱も綺麗な状態の為今回の評価となります。