皆様、こんにちは!緑和堂東京支店でございます。
今回ご紹介させていただきますお品物はこちらです!
象牙作品の仏像でございます。
はじめに象牙について説明致します。
象牙は文字通り象の牙や歯を指し、材質が硬すぎず柔らかすぎず手に馴染みやすい特性もあり、金属や大理石、水晶、翡翠よりも加工に優れていることから工芸品の素材として絶大な人気がありました。古代より世界中で加工、流通が行われ、マリア像やピアノの鍵、ビリヤードの球など芸術性の高い物から高価な日用品など様々に加工されました。日本でも奈良時代の正倉院より象牙の工芸品が保管されていたりなど、古くから象牙製品が持ち込まれていたことが分かります。
現代でも日本では印鑑に象牙を使用する事が一般化され、象牙が日常的に使われることが珍しくありません。1980年代は象牙の消費の7~8割が日本というほどに沢山の象牙が国内に流通しておりました。
しかし、1989年のワシントン条約によって象牙の貿易は禁止とされました。また、象牙取引は国内のみに限定され、かつ登録事業者のみとなってしまった為、象牙の流通量が減少し代替商品としてプラスチック製が増加したことにより象牙の価格は下落していきました。
象牙製品はかつての価格より下落しましたが、芸術品としての評価が高い物は根強い人気があります。
今作も彫刻が細かく、さらに高さが20㎝を超える芸術性の高い作品となります。裏に「乾隆年製」という文字があり中国の作品という意味合いになりますが、日本でもこの文字を使った中国の模倣品が流通している為、今作は日本製となります。
評価額のポイントとしては日本製であること、ヒビが入ってしまっていることから上記の価格となりました。