皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回お譲りいただきましたお品物はこちら。前田竹房斎 作『かけ花籠』でございます。
前田竹房斎は、主に堺で活動した竹工芸家の名跡です。明治初めから平成まで続き、初代と二代がおられます。本作は共箱がありませんでしたが、印の字体から二代の作品だと思われます。
二代竹房斎は、1917年に初代の四男として誕生しました。18歳より初代に師事しますが、修行半ばで戦争に召集され、兵役に就くこととなります。復員時には初代は病床にあり、その後は独学で研鑽を積みました。日展など数々の公募展で活躍し、1995年には重要無形文化財保持者に認定されています。
細い丸ひごを生かした繊細な作品を多く制作され、本作でも小ぶりな中に素朴ながら丁寧に並列された丸ひごの美しさがうかがえます。
今回は高名な作家の作品ですが、小ぶりの壁掛けの花籠であり、一部に竹の割れ等が見られましたためこちらの評価とさせていただきました。
竹工芸の花籠ではサイズのある、より細密な作品が評価を得やすい傾向にあります。処分を検討しているお品物で、気になるものがございましたらお気軽にお問い合わせください。