皆さんこんにちは、緑和堂東京支店でございます。
今回ご紹介致します作品は、十四代酒井田柿右衛門の本人作『濁手 野菊文 香合』です。
酒井田柿右衛門は江戸時代から続く有田焼を代表する作家です。当代で十五代まで続いており、今でも多くの人を魅了する作品を作り続けています。
柿右衛門の作品には、本人が手掛けた作品と複数の職人により制作された工房の作品があります。本人の作品には作品裏面にサインが無く、工房作品の裏面には青色の文字でサインが書かれております。また作品を納める箱に描かれた文字でも違いがあります。本人作品には作品名に濁手の文字が書かれています。工房作品には錦の文字が書かれていますので、こちらも判別する方法の一つになります。
十四代酒井田柿右衛門は、柿右衛門襲名前には酒井田正という名前で活動しておりました。その為襲名前の作品には柿右衛門ではなく「正」の文字が書かれています。襲名後には日本だけでなく海外でも人気があり、アメリカで行われたクローズ・アップ・オブ・ジャパン・イン・サンフラシスコにも出品し、市長から名誉市民号を送られました。遺作としてJR九州の「ななつ星in九州」の洗面鉢がありますので、機会がありましたらご覧になってみてください。
今回の評価の理由としまして、作品だけでなく木箱や保存用の布が綺麗な状態でお持ちいただけた点を考慮させていただきました。