皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回ご紹介するお品物はこちら。十二代 坂倉新兵衛 作『萩御所丸写茶碗』でございます。
坂倉新兵衛は山口県長門市深川にある萩焼の窯元です。初代・李勺光の1604年から続く名跡であり、当代は十五代になります。十二代は明治から昭和期にかけて活躍された方で、萩焼の販路拡大に貢献されたことから、萩焼中興の祖として有名です。
『萩御所丸写茶碗』の「御所丸」は、高麗茶碗の種類の一つです。朝鮮との貿易でこの茶碗を乗せて運んだ御用船「御所丸船」が名前の由来であり、大きな高台と焼き締まった厚めの灰素地が特徴です。
本作は、その御所丸茶碗を十二代新兵衛が萩焼で表現した一品となります。坂倉新兵衛の伝統を感じさせる厳かな造形に惹きつけられます。
共箱には七十之翁と記載があり、十二代が70歳の時に製作したものであると分かります。本品の状態が良かったことから、今回はこちらの評価とさせていただきました。