唐物茶入とは、中国の宋から元の時代(960ー1368)にかけて作られていた茶入のことで、和物茶入、東南アジアの島物とある中で最高位の茶入と位置づけられています。特に宋代初期の「漢作唐物」といわれる唐物茶入は、大変貴重な物としてほとんどが重要文化財や国宝に登録されています。
宋元代のものを本家として、現代まで倣古作品が製作されています。本作は銅の継ぎ目などの特徴から、漢作唐物に倣って製作されたものと考えられます。作家自体はございませんが、共箱とともに丁寧で重厚な作りとなっております。
また、共箱の裏蓋には鵬雲斎の書付がありました。高名な方の書付がある場合、高い評価がつきやすくなります。状態の良さも考慮しまして、今回はこちらの評価とさせていただきました。