初代清瀬一光 『松蒔絵大棗』 鵬雲斎書付

皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。

今回ご紹介するお品物は、初代・清瀬一光 作『松蒔絵大棗』でございます。

清瀬一光は、加賀蒔絵を代表する作家です。加賀蒔絵とは江戸時代に加賀藩で作られた蒔絵技法の事を言います。華やかで優美ながら伝統美が強調された蒔絵が特徴です。

「清瀬一光」は当代で二代目となり、初代の長男が二代目「清瀬一光」を襲名されています。二代目は加賀蒔絵の伝統を守りながらも、ガラスや象牙などの素材にも蒔絵を施すことに挑戦するなど、常に革新性を持ちながら活動され、初代と共に漆芸ファンや業界関係者からも絶大な支持を得ています。

本作は初代の作品であり、図柄はシンプルながら豊潤で細やかな塗りで松が表現され、内には梨地が用いられています。伝統的な絢爛さと高い技術が垣間見える見事な作品です。

共箱には鵬雲斎の書付がございました。高名な方の書付がされていると、作品の評価も高まりやすくなります。状態が良かった点を加えて考慮しまして、今回はこちらの評価となりました。