皆様こんにちは。緑和堂京都営業所です。
今回ご紹介させていただきますお品物は永楽善五郎 作 『三島盃』です。
「善五郎」は、室町時代から続く京焼の家元の一つです。茶道に関わり三千家(表千家・裏千家・武者小路千家)に出入りする十の職家を表す「千家十職」の一つ、土風炉師・焼物師であり、代々土風炉を制作してきました。初代から九代までは西村姓でしたが、十代からは永楽姓を名乗るようになり、同時に茶陶の分野にも進出しました。当代は十七代となります。
「三島」とは、李氏朝鮮時代に朝鮮から日本に伝来した陶器の名称です。半乾きの素地に花模様の彫を入れ、化粧土を埋め込む「三島手」と呼ばれる技法が特徴です。本作はその三島を模して作られたものだと分かります。
本作は非常に小ぶりなものです。小さい物に複雑な模様を施すのは技術的に難しいため、評価されるポイントになります。状態の良さも考慮しまして、今回はこちらの評価とさせていただきました。