皆さんこんにちは、緑和堂京都本店です。
今回ご紹介するのは木村盛伸 作 『粉引茶碗』です。
木村盛伸は京都の陶芸家です。
絵付け職人の木村聖山の三男として生まれ、兄に盛和、弟に盛康とどちらも天目釉で有名な陶芸家です。
京都市立美術工芸学校の卒業した後は兄・木村盛和の工房に入り、その後鉄釉鉄器で人間国宝となる人物・清水卯一の薫陶を受けます。
その甲斐あってか、盛伸は26歳で日本伝統工芸展にて初入選を果たし、その後も入選を重ね、二年後には日本工芸会の正会員に認定されるなど若い頃から陶芸界で一目置かれる存在として活動していました。
また長らく拠点を京都に置き続け、1992年には京都府指定無形文化財保持者に認定されるなど、京都の伝統工芸における功労者とも言えます。
今回の『粉引茶碗』は粉引という技法が使われており、赤土の粘土でベースの形をつくり、その上に白化粧とよばれる白い泥を被せ、その上に釉薬を塗って焼きます。
3層構造になるのでぽってりとした厚みを持つことが多いですが、白化粧が薄く塗られていることで下地の赤が浮き出ており複雑な模様と粉引の温かい質感を一度に楽しむことが出来ます。
また、箱も揃っており欠けなども見られないことから今回の評価を付けさせていただきました。
緑和堂では有名な作家の作品から箱無の陶器まで幅広く取り扱っておりますので、実家やご自宅の整理の際はお気軽にお声掛けください。