皆様、こんにちは。 緑和堂 名古屋支店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物は山下 清 作 鑑定書付き『カーネーション』になります。
こちらは名古屋市中川区にお住いのお客様よりお譲り頂きましたお品物になります。
山下清は放浪の天才画家として有名であり、山下清を題材にしたテレビドラマが大ヒットしたこともあり日本国民にとってはかなり広く知られている存在です。
山下清は1922年の関東大震災の前年に東京・浅草に生まれます。震災後の避難先で生死の狭間をさまよった影響で、軽い言語障害と知的障害の後遺症が残ってしまいました。1934年、千葉の養護施設・八幡学園に入園した清は、ちぎり紙に出会います。その才能を開花させ、1938年には銀座の画廊で初めての個展を開催しました。
しかし、1940年突如として学園から姿を消し、放浪の旅へと出ます。こうして目にした風景の数々が後に清の題材となりました。1950年代にはその知名度も上がり、「日本のゴッホ」と呼ばれるようになりました。全国で個展も開催され、当時の皇太子殿下も訪れています。1961年にはヨーロッパも旅行しました。晩年は東海道のスケッチ旅行や、放浪中に住み込みで働いていた我孫子弥生軒の、弁当掛け紙のデザインを行っています。1971年、49歳で若くして亡くなりました。
作品は代表的なちぎり紙細工の他に、旅先で描いたペン画などが存在します。色鮮やかな紙細工、点描を駆使してその場の風景を切り取ったペン画は、現在でも高い人気を誇っており、特に花火を題材にしたものは今でも高額の評価額で取引されております。
しかし、有名になった山下清の作品は非常に多くの贋作が存在し、特にテレビドラマで登場する紙細工は実際にはほとんど旅先では作られておらず、残されている紙細工作品の多くは遺族の方々によって保管されているため、市場にはほとんど出回っておりません。
今回のお品物は山下清の人気の高い色ペン画であり、贋作が多いお品物ではありますが、山下清鑑定会の鑑定書もあり、状態もかなり綺麗な状態で保管されていたため、今回の評価額となりました。
正規機関の鑑定書がないものやヤケやシミ、お品物の状態によっては評価額が変動致しますのでご了承下さいませ。