皆さんこんにちは、緑和堂京都本店です。
今回ご紹介するのは永樂善五郎 作 『赤絵酒盃』です。
今まで緑和堂でも永樂善五郎の作品を数多く取り扱ってきましたが、今回の善五郎は「永樂妙全」と言う人物のものです。
永樂妙全は十四代永樂善五郎(得全)の妻として陶芸家の活動を始めます。
当時は茶道全般が衰退の時期にあり苦しい生活を強いられますが、夫婦で協力して伝統ある永樂の家系を持ち直すよう様々なアプローチをかけながら活動しました。
得全の没後は、甥である後の十五代永樂善五郎(正全)が跡を継ぐまでの間永楽善五郎を名乗り作陶しており、妙全がいなければ今の永樂はないと言っても過言ではない程、永樂の名や茶道の復興に尽力した人物でもあります。
また、本名は悠といい、箱書きの「永楽善五郎」の文字に「悠」の印が押してあり、サインや印が良く似ている得全のものと見分けることが出来ます。
今回のお品物も妙全の女性らしい淑やかさのある赤絵の作品で、状態も良く箱も揃っておりますが、茶道具ではなく酒器というところも含めての評価となっております。
緑和堂では永樂作品はもちろんの事、箱の揃っていない陶器類でも取扱いておりますので、コレクションや遺品の整理などの際はお気軽にお声掛け下さい。