皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます!
今回は出張買取にてお譲り頂きました、原田拾六 作『備前 ビール盃』をご紹介します。
まずは作家・原田拾六について簡単に説明させていただきます。
原田拾六は岡山県出身の備前焼作家です。大学卒業後に備前焼陶芸を始めましたが、その時の拾六に師となるものはいませんでした。その環境はむしろ拾六に独自の感覚とアイデアを育ませました。
30歳を過ぎると、桂又三郎と共に古備前の研究を始めます。その中で又三郎から「末恐ろしい鬼才」と言わしめました。
古備前の特徴を独創的なデザインに落とし込む作風が魅力で、手びねり、紐作りの作品が多いです。本作は一度造形した後にヘラで側面に「鎬(しのぎ)」を入れており、これは後年の拾六作品によく見られる特徴です。全体として濃厚な肌合いに、緑胡麻がコントラストとして美しく映えています。
備前焼のビールタンブラーは表面の気孔により香りが引き立てられ、またきめ細かくふわふわな泡ができます。実用的にも優れた、価値ある逸品といえます。
共箱、お品物ともに状態が良かったため、今回はこちらの評価とさせていただきました。