皆様、こんにちは。 緑和堂 名古屋支店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物は三代 中村道年 『黒 茶碗』になります。
こちらは名古屋市北区にお住いのお客様よりお譲り頂きましたお品物になります。
中村 道年とは初代 一休庵 中村道年が全国各地で修行し、京焼・楽焼は言うまでもなく、高麗茶碗写し、染付などさまざまな種類の陶磁器の製法を身につけ、現在の五代目まで八事窯を守り続けている名称が道年となります。
初代 中村新太郎は京焼に学んだ色絵陶・楽焼をはじめ、三島・伊羅保といった高麗写し、染付・赤絵ねど様々な製法を駆使して作品を制作しました。
二代目 中村正次は初代中村道年の長男。光悦の作風に魅せられ、森川如春庵の元に通って光悦茶碗を研究し、光悦風楽茶碗を制作、光悦写しの名手として八事窯の名を広めます。
三代目 中村良太郎は二代目中村道年の長男。先代の光悦風茶碗を受け継ぎながら、独自の作陶を進めます。
四代目 中村恵子は三代目中村道年の妻。夫である三代目の逝去により八事窯を継承します。表千家14代而妙斎より「尼焼道年」を拝受し、楽焼を専らとし、茶道具一式を手がける。
五代目(当代)中村直之は三代目の長男。中里重利に師事し、代々受け継がれてきた楽焼の基本を守りつつ、個性を織り交ぜながらも多くの人に使われる扱いやすい作品の制作を心がけています。
二代目 中村正次は初代である父に師事しながら吉田紹清宗匠の下でも茶道を修行し、1937年に2代目を襲名しますが、1943年の太平洋戦争により一時廃業した後、表千家にて再び茶道を学びます。また、表千家13代即中斎宗左より「八事窯」の名を授かり、楽焼や光悦写しの作陶に専念するようになりました。
今回のお品物は、二代目道年の技を見事に継承した三代目、中村道年による人気の高い黒茶碗という事、作品自体の状態も良く、専用の木箱もありましたので、今回の評価額となりました。
また、初代 中村道年の作品となると現存している数が少なく希少価値があり、高額な評価額が期待できるお品物となっております。