皆様こんにちは。緑和堂大阪店でございます!
今回ご紹介するお品物は、十四代酒井田柿右衛門の窯作品『錦梅鳥文 一輪生』でございます。
酒井田柿右衛門は、濁手と赤絵の磁器で有名な陶芸作家です。江戸時代から現在の十五代まで続き、多くの名作を残すとともに、陶磁器界へ広く影響を与えています。
本作は柿右衛門の十四代、その窯作品です。
窯作品とは工房作品のことで、作家本人ではなくその工房のお弟子さんなどが、作家の名を冠し制作した作品を指します。柿右衛門作品はその需要の高さから、こうした窯作品が流通しています。
本作をはじめとした柿右衛門の窯作品の分かりやすい特徴があります。まず、共箱に「錦」の記載があること。そして、本人作では作品に銘が刻まれていませんが、窯作品では染付で「柿右衛門」と銘がうたれています。また、本人作の白地は少し濁りを持っているとも言われます。
上記の点で、本作は窯作品ということが分かります。ですが、さすが伝統深い名家の作品。本人作ではないといえども、造形や赤絵の秩序だった美しさに和の心が揺さぶられます。
今回は共箱・作品ともに状態が良かったため、こちらの評価となりました。本人作・窯作品問わず、陶磁器の鑑定の際は是非一度お問い合わせくださいませ。