皆様、こんにちは!緑和堂東京支店でございます。
今回お客様からお譲りいただいたお品物はこちらです!
角 偉三郎 作 漆器の合鹿椀、朱色椀、弁当箱でございます。
角さんは石川県輪島市出身の漆職人です。1940年に輪島塗の下地職人である父と蒔絵職人の母の下に生まれました。
1955年に沈金の名人である橋本哲四郎に弟子入りし技術を学び、20代前半に学んだ沈金技法を生かし絵画的なパネルを作成しました。
その事をきっかけに、修行を終えるとアメリカの現代美術に強い影響を受けながら、沈金技法を活かした漆パネルなどの絵画風の作品に取り組み、日本現代工業美術展に初入選致します。
その後は、数々の賞を受け活躍を重ねて日展無鑑査となりますが、1970年代の初めに石川県・柳田村(現在の能登町)合鹿で古い置き忘れの合鹿椀に出会い何故か魅了されたことが転機となり、漆を素材として活用した芸術表現から漆を素材として生活の中で活用する器に価値を見出しました。
1982年、角 偉三郎氏は芸術家として一線を退きます。そして初めて実用の椀だけの個展を開催致しました。
以降は漆と器の可能性や、故郷・輪島の職人との協働に深く思いを巡らせ、独自の境地を切り開いていきました。
今作には角さんの代表作でもある合鹿椀があります。朱色の椀なども鮮やかな色彩にも関わらず普段使いにもできそうな素朴なデザインでありながら、どこか高級感を醸し出す角さんならではの美しさを感じることができます。
今作は残念ながら箱がございませんでした。箱の有無によって金額に大きな差が出ますので、ご売却をご検討される際は箱をチェックしてみてください。
今回の評価額のポイントは、作品の状態、箱の有無などです。それらを考慮し、上記の価格となりました。