皆様こんにちは、緑和堂京都本店です。
今回は木村盛康 作 『天空 盃』をご紹介致します。
漆黒の底部から油滴が飛び散ったように見える「油滴天目」。
その美しさに魅了されて以来50年以上天目一筋で作陶を続けてきた木村盛康は、兄であり同じく天目作家の木村盛和を師事し天目を追求してきました。
木村盛康の天目で特徴的なのは、元となった油滴天目を作品の原点としたりイメージするのではなく、独自の天目を目指し続けているところにあります。
50年以上経った今でも「どのような作品になるかわからない」という天目の奥深さや表情が魅力の作家です。
作品自体も浮かび上がる模様が夜空の星々に見えることから「宙(そら)」や「天空」、「アンドロメダ」などのタイトルのものが多く、ボストン美術館、ダラス美術館、故宮美術館、大英博物館など多数の有名美術館にも作品が収蔵されていて、人気の高さがうかがえます。
今回の「天空 盃」もそうした作品の一つで、盃の底部から稲妻が走って飛び散ったような明るい模様とその隙間から覗く深い青が美しい作品となっております。
またこちらは状態も良く、共箱も綺麗な状態で揃っていたこともあり今回の評価を付けさせていただきました。