皆さん、こんにちは。緑和堂大阪支店です。
今回紹介するお品物は、『高麗青磁 鉢』です。
こちらのお品物は大阪市福島区にお住まいのお客様よりご依頼を頂きお譲り頂いたお品物です。
高麗青磁。
骨董にあまり詳しくない方もいるかもしれませんが、「高麗」という言葉は歴史の教科書にでてきますので、一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
朝鮮王朝の一つで西暦918年~1392年まで続いたと言われる王朝です。
政治や歴史には触れませんが、骨董業界において重要なものとして、今回ご紹介する『高麗青磁』があります。
中国と陸続きでつながっている朝鮮半島は中国の影響を大きく受けます。
青磁も同じで中国から伝わり、それを独自の文化が育んだ結果、独特な青磁である『高麗青磁』が生まれます。
では、その独特さとは何か。
それは翡色青磁とも呼ばれる色味と象嵌技法でしょう。
青磁と聞いた時に、一番か二番に思い浮かべるものが、まさに高麗青磁の色味でしょう。
高麗青磁の色は高麗の空の色味とも言われます。この美しい青色は多くの人々を引き付けました。
そして象嵌技法、象嵌とは大本の素材に絵を彫り、そこに別の素材をはめ込んだもの、というと分かりやすいでしょうか。
陶器に限らず、様々な分野で使われる技法ですので、今回はこの高麗青磁を分かりやすくするための説明と思って頂けると助かります。
高麗青磁の象嵌技法は様々ありますが、どれも翡色をより美しく際立たせるように思います。
さて、今回お譲り頂いた『高麗青磁 鉢』。
特にヒビや欠けなどはなく、この皿に作られた合箱がついています。
高麗青磁としての色味はしっかりとあり、象嵌も入っています。
今回のお品物は高麗当時のものではなく、後世に模して造られたものであったため、こちらの評価となりました。
韓国の人間国宝にあたる、人間文化財に柳海剛さんという方がいらっしゃいます。この方は失われた高麗青磁の技法を復活させた方です。
以降、現代では当時の高麗青磁を模したものが多くあります。
古い高麗青磁か新しい高麗青磁かは中々判断がつきづらいかもしれません。
そんなときはお気軽にご相談ください。