皆様、こんにちは!緑和堂東京支店でございます。
今回お客様からお譲りいただいたお品物はこちらです!
十三代今泉今右衛門 作 『色絵吹墨草花文ぐい呑』でございます。
今右衛門の歴史は古く、1640年代まで遡ります。日本が磁器製作に取り組みだしてから数十年後に、中国から伝わった赤絵の技術が確立していきました。今右衛門家は技術が最も高いと評価され、鍋島藩の御用赤絵師として任命され、以後、現代に至るまで時代を乗り越えながら鍋島焼の伝統を継承し続けています。
今回の作品を製作した十三代は、平成元年に国の重要無形文化財保持者の認定(人間国宝)を受けております。十三代の考えは、「伝統工芸は現代の人に向けた新しい仕事でなくてはならない」というものであり、伝統的な鍋島焼の芸術性を高めつつも新しい技法として「吹墨」「薄墨」「緑地」の技法を確立し、多くの人に愛される作品を生み出しました。
今右衛門の作品は本人作と工房作がございます。本人作はもちろん今右衛門五本人による製作ですが、工房作はお弟子さんなどが製作した作品ですので、価値は大きく変化します。
今回のお品物は本人作の作品になります。十三代目が確立した吹墨の作品であり、お茶碗の状態や共箱の有無などを考慮し、上記の評価となりました。