皆様、こんにちは。 緑和堂 京都本店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物はエミール・ガレ 作『パンジー文花瓶』になります。
こちらは文様からパンジー文花瓶とさせて頂きましたが、正式な名称は不明ですのでご了承ください。
こちらは兵庫県神戸市北区にお住いのお客様よりご依頼をしていただき、成立致しました。
ガラス作品を見た時に有名な作家が何人か浮かびますが、その内の一人と言えるのがこのエミール・ガレでしょう。
エミール・ガレは19世紀から20世紀にかけて活躍したフランスのガラス工芸作家です。
アールヌーヴォー期のガラス工芸作家としてまず名前が挙がるエミール・ガレ。
そんな彼に大きな影響を与えたのは1867年のパリ万博でした。このパリ万博では一つ大きな特徴があります。それは開国したばかりの日本文化、いわゆるジャポニズムが世界へと大きな影響を与えた、世界に日本という名を広めるきっかけになったものでした。
幼少期から自然観察、家庭での高い教養と教育、そして日本の自然感と美意識から、エミール・ガレの作風である自然モチーフが作られ、世界から高い評価を得ることになります。
遠く離れた異国の地の作家に大きな影響を日本が与えたというのも不思議な話ですね。
今回のお品物はエミール・ガレの作品の中でも、被せガラスとグラビュールやエッチングという技法をふんだんに用いた作品です。何層ものガラスを被せ、それを錐のような先端の尖ったもので削ったり、酸で溶かしたりして下の層を表出させることで、立体的で不思議な色合いのものになります。
葉の筋もくっきりと浮かび上がったこの作品はガレの得意とした手法と言えるでしょう。
草花がメインになっているところもガレの作風であり、ジャポニズムの影響も良く見てとれます。
今回は箱など付属品もなく、本体のみということもあり、上記の評価となりました。
箱がある場合や状態によっては評価が変動致しますのでご了承下さいませ。