皆様、こんにちは。 緑和堂 京都本店でございます。 今回ご紹介させて頂くお品物は、冨木 宗好 作 「春蘭」でございます。
冨木宗好は自在置物という、虫や甲殻類、鳥などの生き物を銀や鉄、銅を使って写実的に作り、尚且つ実際の物と同じように体節や関節を動かすことのできるものの作家です。
自在置物は明治から昭和にかけて主に欧米に輸出されていたため日本人にはあまり聞き馴染みのない言葉ですが、高瀬好山や冨木家が中心になって量産したものが海外で高く評価されています。
宗好は幼い頃に父を亡くしたことで前出の高瀬好山のもとに引き取られ、工房で腕を磨いたと言います。
今回お譲り頂いた「春蘭」は自在置物ではありませんが、銀で作られた蘭の置物で、伊勢海老の置物と並ぶ宗好の代表的な作品です。
銀製品でありながら、植物である蘭のしなやかさを見事に表現し、本物と見間違うほどの精巧な作りの逸品です。
作品自体には若干擦れなどはありますが、箱も揃っており、見事な作品であったため、このような評価を付けさせて頂きました。
緑和銅では、銀製品や置物、彫刻、貴金属類など幅広く取り扱っておりますので、ご自身のコレクション整理やお片付けで出てきたお品物等ございましたら、是非お気軽にお問合せ下さいませ。