皆様こんにちは、緑和堂東京支店です。
本日ご紹介する作品は「アンダーソン土器」です。
アンダーソン土器とは、スウェーデンの地質学者アンダーソン博士が発見したといわれている土器の総称を指します。
しかしアンダーソン土器の定義はあいまいなところが多いです。というのも、アンダーソン博士が発見するよりも前に中国では同じような彩文が付いた土器が発見されており、それは発見された土地の名前から仰韶土器と名付けられていました。アンダーソン博士は仰韶土器に似ている土器を別の場所で発見し、それが仰韶土器より作られた時代が後になるということが分かり、別称で呼ばれるようになりました。このことから仰韶土器とアンダーソン土器は考古学上では別物であるということになるのですが、古物的には大まかな時代と彩文という柄が一緒のことからひとくくりにされているのが現状です。
さらには、出土した中国ではアンダーソン土器という名称は存在せず、「馬家窯(文化)の彩陶」と時代や年代を含めた形で呼ばれています。日本でいう縄文土器のような呼び方で呼ばれています。
では、続いてアンダーソン土器の古物的価値についてですが、実は、アンダーソン土器は出土数が多く、先ほど挙げた縄文土器と比べるとはるかに多い出土数となっています。このことから希少価値としてはあまり高くはない。しかし縄文土器と違い彩文が施されており美術的価値とその柄の希少価値が存在します。以上のことから個物的価値については作品ごとに異なります。