こちらは、三世 早川尚古斎 作『竹籠』です。
早川尚古斎は、京都市で現在も続いている竹工芸の一家です。三世の子である四世早川尚古斎は、人間国宝に認定されております。
三世は江戸末期から大正までを生きた人物で、本作も制作から100年近く経っていると思われますが、緩み・弛みは一切なく年月による劣化を感じません。
白竹を荒目になるよう編んで仕上げられており、自由な竹表現を求めた三世の技が良く表れている竹籠作品だと言えます。
三世は竹の着色にこだわりを持った作家です。白竹の作品も大変美しいのですが、人気があり高評価になることが多いのは朱色・焦げ茶色と濃い竹色をした作品になります。
今回は自筆の共箱と作品底面にサインが確認できました。上記と合わせて考慮し、こちらの評価額となりました。