皆様、こんにちは。 緑和堂 名古屋支店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物は駒澤 利斎 作『木地 丸熨斗台』になります。
こちらは大府市にお住いのお客様よりご依頼をいただき、お譲り頂きましたお品物になります。
駒澤 利斎は千家十職の一人であり、指物師です。
江戸時代から14代続いている駒澤家は、千家(千利休を祖とする茶道流派の家)との関わりが深く、二代宋慶の時代から千家より道具作りを依頼されるようになったと伝えられています。そこから千家十職に名を連ねるようになりました。
指物師とは、糊や釘などの接合道具などを使わずに、板材を用いて差し込んで組み立てられた道具などを作る職人のことを言います。指物はほとんどを素材のみで組み立てられるため素材の材質が重要となります。茶道具としてよく使われる素材は桐・杉・桑・欅などが一般的です。
指物にもいくつか特徴があり大まかに3つに分けられます。『京指物』『江戸指物』『大阪唐木指物』の3つです。
京指物は朝廷や公家が主に使用したことから、優雅で精緻な細工が特徴。
江戸指物は武家や町人によく使用されていて、その風土ゆえに華美な細工は好まれず、素材の木目の美しさを活かした淡泊な木目に渋味を持ち合わせた漆塗りが特徴。
大阪唐木製品は現在の生活様式に沿うように工夫・改良がされていて、拭き漆を重ね、鏡のような光沢のある表面と、重厚な存在感のある唐木が特徴。
このように大まかに3つに分けられますが、駒澤利斎の指物は京指物の中でも千家御用達の最高級品です。千家の好物として認められた指物は今もなおも脈々と引き継がれております。
今回のお品物は出来も良く、傷や汚れも無く、専用の木箱もありましたので、今回の評価となりました。
共箱がない場合や状態によっては評価が変動致しますのでご了承下さいませ。
ご自身のコレクション整理やお片付けで出てきたお品物等ございましたら、是非お気軽にお問合せ下さいませ。
お客様からのお問合せ心よりお待ちしております。