皆様、こんにちは。 緑和堂 名古屋支店でございます。
今回、ご紹介させて商品は永楽善五郎 作『仁清写 茶碗』になります。
こちらは豊田市にお住いのお客様よりご依頼をいただき、成立となりました。ありがとうございます。
永楽善五郎は千家十職の一つである土風炉・焼物師であり、代々土風炉や茶碗を制作している京焼の家元です。
千家十職とは千家の流れを汲む茶の湯の道具を代々に渡って制作する人たちのことを呼び、この「千家十職」という呼び名は、大正時代に、茶道界の復興と飛躍的に茶道具制作の需要が増えた時に、百貨店での展覧会の呼称としてはじめて用いられ、今日まで広く知れ渡ったものです。
永楽家はもともと、初代の宗禅から十一代保全までは西村家を名乗っており初代宗禅は室町時代に奈良県の春日大社で日曜雑貨等を作っておりましたが晩年に武野紹鴎からの依頼で土風炉を制作するようになってことで土風炉師・善五郎を名乗るようになります。九代目までは土風炉の制作をしておりましたが、一〇代了全は天明の大火により全焼した西村家の工房を整備したり、多彩な作品を作ったことで焼物師と認められたりする等の功績を残します。
十一代の保全は永楽の家祖となり、京焼の技術を習得したのち、紀州徳川家から御庭焼窯に招かれ作品を献上すると、その高い技術力が十代藩主であった徳川治宝に認められて、永楽の銀印と河濱支流の金印を褒美としてもらい、江戸から明治に時代が変わっていく際に、正式に姓を変えて永楽保全が誕生することになります。以降、現代の十七代まで代々永楽の名を受け継いでおり、その作風は交趾(こうち)、金襴手(きんらんで)、仁清写(にんせいうつし)などの永樂様式は華やかな趣向でありながら「お茶にかなった」美しい器として人気が高いものとなっております。
今回のお品物は、仁清写の品物ということ、その紋様、傷や汚れも無い状態で、専用の木箱もありましたので、上記の評価となりました。