今回ご紹介させていただくお品物は、石黒光南 作 『純金香炉』でございます。
石黒光南は、日本を代表する金工家になります。主に茶道具や酒器、香炉などの製作を手掛けておられる方で、現在の作品の多くは初代のご子息である2代目が製作をされております。
特徴的な見た目の突起のある表面を「霰肌」と言います。これは初代が得意とした「霰打ち」という技法で、現在はこの技法を扱える職人は数少なく、その希少性はますます高まっています。
その中でも石黒光南は純金や純銀の製作物が多く、海外のファンからも取引が殺到しております。
今回のお品物は霰打ちによって作られたものではありませんが、丁寧に金を打って非常にバランスよく仕上がっております。菱形のように見える模様は非常に満遍なく、人の手によって打たれたとは思えないほど精巧な作りでございます。
純金製であり共箱も揃っていたため、こちらの評価とさせていただきました。