皆様、こんにちは。緑和堂 京都本店でございます。
今回ご紹介させて頂くお品物は、三代徳田八十吉作「燿彩大皿 輪花」でございます。
こちらは大阪府にお住まいのお客様からお譲りいただいたお品物でございます。
徳田八十吉は九谷焼の中でも約70色もの色を使い、色の配色のみで作品を仕上げられているのが特徴です。色のグラデーションのみで仕上げる技法「彩釉」は徳田八十吉によって生み出されました。今回お買取りさせていただいた「燿彩大皿 輪花」もこの技法によって非常に色鮮やかな仕上がりになっております。
三代徳田八十吉は初代八十吉の孫として、1933年石川県小松市にて生まれます。幼き頃から九谷焼の名品の数々を目にする環境で育ちました。
1953年に父である二代徳田八十吉のもとで現代陶芸を習得し、初代八十吉からも九谷焼上絵釉薬を学びました。
1971年には第18回日本伝統工芸展出品作「彩釉鉢」が「優秀賞」「NHK会長賞」を受賞致し、1977年には第24回日本伝統工芸展出品作「燿彩鉢」が「最優秀賞」「日本工芸会総裁賞」を受賞致しました。
1988年に三代徳田八十吉を襲名し、これ以降の作品の落款は正彦から八十吉に変わっております。
1997年に重要無形文化財「彩釉磁器」の保持者(人間国宝)に認定され、翌年の1998年にアメリカのメトロポリタン美術館にて「燿彩線文壷」が収蔵されました。
2009年8月に肺炎により、75歳で死去されました。
今回のお品物は八十吉の中でも晩年作といい、皿裏に記載のサインが金色の物でございます。木箱等の付属品も揃っており、保管状態も良く、八十吉本来の濃青のグラデーションが華のように美しい作品でございました。また先ほどご説明させて頂いた晩年作のほかに、裏が金色で赤文字サインの最晩年という物もあり、こちらは晩年作よりも希少価値の高いものとなります。
傷や付属品の有無状態によっては評価が変動致しますのでご了承下さいませ。