山口 長男 作『裏磐梯』

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山口長男（やまぐち　たけお）さん作『裏磐梯』でございます。

山口さんは日本において、抽象的な近代絵画のパイオニアとして知られる方です。
実際にパリへ留学し修行をされた経験から、日本に抽象画という新たな風を浸透させ、独創的な作品を次々に生み出していきました。

今回の『裏磐梯』という作品は、山口さんの風景画作品の特徴的なものと言えます。
山口さんの作品の多くは、黒の地に赤系の貼り紙を配した、シャープさもありながらインパクトのある作品が多いです。
風景画に関しては、風景や物体をぼやかしたような淡い表現で描き、その輪郭などを赤系の線で覆うように描くことによって、抽象表現の中の力強さを感じられるのが特徴です。
今回の『裏磐梯』も、赤い稜線によって自然豊かな裏磐梯の風景が、力強くインパクトがありながらも、不思議と温かみが感じられるような作品になっています。
個人的な意見ですが、このような山口さんの作品がお部屋に飾られているだけでも、一見して目を引くようなインパクトがあり、さらにずっと眺めているとだんだんと部屋全体が温かく包まれるような感じがするのではないでしょうか。

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