島津磯斉彬竈 薩摩ガラス工芸 作『島津薩摩切子 二色被せガラス タンブラー』

島津磯斉彬竈 薩摩ガラス工芸 作『島津薩摩切子 二色被せガラス タンブラー』
島津磯斉彬竈 薩摩ガラス工芸 作『島津薩摩切子 二色被せガラス タンブラー』
作家名薩摩ガラス工芸
作品名二色被せガラス タンブラー
買取方法出張買取
ご依頼地域愛知県名古屋市千種区

買取参考価格 25,000

※買い取り価格は当日の価格であり、その価格を保証するものではありませんので予め御了承下さい。

※状態や付属品の有無、買い取り方法などによって価格が変動いたします。

この査定金額になった理由

皆様、こんにちは。 緑和堂 名古屋営業所でございます。
今回、ご紹介させて頂く商品は島津磯斉彬竈 薩摩ガラス工芸 作『二色被せガラス タンブラー』になります。

こちらは名古屋市にお住いのお客様より出張買取のご依頼をしていただいたお品物になります。

薩摩切子の時代は古く1840年頃、薩摩で製造されるようになり、1851年、島津家28代目島津 斉彬(しまづ なりあきら)が藩主になったことで飛躍的な発展を遂げました。28代目島津斉彬は日本を強く豊かな国にするため、集成館事業という大規模な近代化事業を推進し、薩摩藩による富国強兵や殖産興業に着手し国政改革にも貢献した人物です。

鹿児島城下郊外の磯に築いた工場群「集成館」を中核に、製鉄・造船・造砲・紡績・印刷・製薬など様々な分野の事業を興しました。その中の硝子工場では最盛期には多数の職工が働いており、様々な種類の硝子器を製造していました。

薩摩藩におけるガラス製造は1846年の島津家27代目島津 斉興(しまづ なりおき)の代から製造が始まり、江戸から当時硝子師として有名だった四本亀次郎をガラス工場に招き入れ、ガラス瓶などを製造しました。
そして1851年、28代島津斉彬が藩主になると飛躍的な発展を遂げることとなり、花園跡精錬所(鹿児島城内)において着色ガラスの研究が進み、紅・藍・紫・緑等の発色に成功しました。
特に紅色の薩摩切子は珍しく、『薩摩の紅ガラス」として一躍有名になります。

28代目島津斉彬が藩主就任から7年後の1858年、島津斉彬が急逝してしまい財政整理のため集成館事業は縮小、さらには1863年の薩英戦争で工場は焼失して大打撃を受けました。細かい文献が残っておらず、現在、不明な点も多いですが、1877年の西南戦争前後には薩摩切子の技術は完全に跡絶えてしまったといわれています。

それから、約100年の時がたち、島津斉彬が築いた世界に誇るガラス工芸の歴史を再興させたいとの想いから、1985年に島津斉彬ゆかりの地、鹿児島市磯に県からのオファーを受け、島津家の系譜を継ぐ株式会社島津興業によって薩摩ガラス工芸が設立されます。

設立当初は資料と言えるものがほとんど存在せず、まずは島津家に残されている資料、尚古集成館に収蔵されている薩摩切子を実測しました。様々な調査記録を参考にその特徴や使用工具の形状などを推察し加工設備の準備に取り掛かり、1986年3月には本工場が完成し色の研究も始まります。
最大の難問は当時と同じ紅色で、「薩摩の紅ガラス」と珍重された紅色の発色を安定させ、納得のいく色になるまでさらに数年の歳月がかかりました。1989年に成功した鮮やかな黄色の発色にも2年の歳月を要し、その後も数年間研究が続けられました。

研究Fの成果が実り、紅・藍・紫・緑の4色の薩摩切子を復元に成功。そして文献には生産の記述がありながら、現存するものが見つかっていなかった幻の金赤と黄色をの再現にも成功し、2005年には斉彬ゆかりの新色島津紫を加えました。更に深い色彩から透明へと移り行く美しいグラデーションと繊細なカット技術を駆使し、伝統を生かしながら創意工夫を凝らした二色被せなど、新しいタイプの薩摩切子の製造にも積極的に取り組んでいます。

箱書きにもあります二色被せという技法は島津薩摩切子の創作品・新作品に使用されているもので、グラス底の「Shimadzu」の刻印が筆記体になっているものは創作品、新作品の印でもあります。箱書き左の島津磯斉彬竈、薩摩ガラス工芸作の落款も、創作品・新作品であるという印になります。

今回のお品物は薩摩ガラス工芸の代表的な二色被せで、創作品、新作品という事、作品自体の出来もよく、専用の木箱もありましたので、今回の金額となります。
共箱がない場合や状態によっては価格が変動致しますのでご了承下さいませ。

緑和堂では、薩摩ガラス工芸作の薩摩切子をお取り扱いを強化中でございます。
ご自身のコレクション整理やお片付けで出てきたお品物等ございましたら、是非お気軽にお問合せ下さいませ。
お客様からのお問合せ心よりお待ちしております。

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