皆様、こんにちは。 緑和堂 名古屋支店でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物は加藤 卓男 作 『碧釉 花壷』になります。
こちらは名古屋市にお住いのお客様よりご依頼をして頂きましたお品物になります。
加藤 卓男は『三彩』という技法で人間国宝に認定されていますが、三彩と同じく有名なのが『ラスター彩』になります。
ラスター彩は9世紀のメソポタミアで誕生し、西アジア全域に広まり、陶磁器芸術の頂点を極めるまでになりましたが、18世紀ごろから突如として姿を消し、製法自体が謎に包まれていたままでした。
加藤卓男が若い頃目にした一冊の写真集に、ペルシャ陶器が載っており、美濃焼とは極めて対照的で、ペルシャ陶器の中でも特にラスター彩の美しさに心を奪われます。
イラン国立博物館では、ペルシャ陶器を実際に見て感動しましたが、製法が数世紀前に途絶えてしまったことを知り驚愕します。加藤卓男はそれからラスター彩の復元に向けて20年以上の月日を費やし、ついにラスター彩の謎に包まれた製法、釉薬までも突き止めました。
加藤卓男の作品の中でもペルシャ陶器の『ラスター彩』は人間国宝に認定された『三彩』と同じく人気が高いお品物となっております。
今回のお品物はラスター彩ではありませんが、加藤卓男の得意とするペルシャ陶器で使用する碧の釉薬をふんだんに使った作品でペルシャ陶器の面白さを十分に感じさせてくれるお品物となっております。
保存状態も大変良かったため、今回の評価となりました。