皆様、こんにちは。 緑和堂 名古屋営業所でございます。
今回、ご紹介させて頂くお品物は中田一於作 『釉裏銀彩 花瓶』になります。
中田一於は、石川県出身の「釉裏銀彩」の技法を確立させた九谷焼の陶芸家です。
季節ごとに色味の違う作品も作り出していることから女性にも人気のある作家としても知られております。また、後進の育成も積極的に取り組んでおり次期人間国宝と噂される作家です。
釉裏銀彩とは下地を塗って焼成をした素地に銀箔を切って膠で貼り付けて、透明釉をかけて焼成をするといった中田一於独自の技法であり、金箔を貼り付ける釉裏金彩は人間国宝に認定された吉田美統が確立していたのに対して、九谷焼の技術者が酸化による変質を嫌うことから使用していなかった銀箔で作品を制作しました。
釉薬と釉薬の間に銀箔を閉じ込めるその技法は、銀の酸化を防ぐことができ、銀の美しい輝きを長く保てることを証明しました。この技法に淡青、紫苑、淡桜という中田一於独自の透明釉、白地、墨地、黒地といった3種類の素地を組み合わせることにより、多彩な作品がつくられるようになりました。
今回、ご紹介させて頂きましたお品物は、釉裏銀彩の技法が施された花瓶で、状態も綺麗でした。そのため、上記の評価となりました。