『荒谷 直之介作 裸婦仰臥』

皆様こんにちは、緑和堂東京支店です。
本日ご紹介する作品は「荒谷直之介作 裸婦仰臥」です。

荒谷直之介は明治35年に富山で生まれ、平成6年になくなってしまった水彩画家です。幼いころから画家を目指しており、早い段階で赤城秦舒や黒田清輝などから絵を学んでおりました。頭角を現すきっかけとなったのは、1936年と1940年の日本水彩画会でした。そこで荒谷直之介の作品は、第一賞と昭和洋画奨励賞を受賞しました。1940年に水彩連盟を結成するなど水彩画を広める活動に従事しました。

水彩画の中でも荒谷直之介が特にこだわったのは「人物画」でした。水彩での人物描写は困難とされており、そこにこだわり結果を残した荒谷直之介は確固たる地位を築きました。人物画と言えばデッサンや、エッチング、油絵などが主流です。滲みや淡い色を活かす水彩画では輪郭をはっきり描くことは難しく人物画には向かないとされています。しかし荒谷直之介はあえてそこに挑み水彩画出の人物画の第一人者とされています。

荒谷直之介が描く人物像のモチーフは、身近な人を描くことが多く版画家や家族などを描いています。晩年には自身の孫などを描いた作品などもあります。そのどれもが高い評価を得ています。