皆様こんにちは。緑和堂名古屋営業所です。
今回のお品物は『十二代楽吉左衛門 巳香合 淡々斎極』です。
骨董好きで、この名前を知らない方はいないだろう!と思うぐらい有名な方の作品です。
楽吉左衛門は千家十職の一つで楽焼の茶碗を制作する茶碗師が代々襲名している名称で当代は十五代となります。
楽焼のは桃山時代(16世紀)に楽家の初代であった長次郎によって始められ、その技術は近年の研究にて三彩陶というものとされており、そのルーツは中国の河南地方の明時代三彩釉であったのではないかとされています。桃山時代には京都を中心に色鮮やかな三彩釉を用いた焼き物が焼かれており、長次郎もその技術を持った一人とされていました。
焼成や釉技術などは基本的に同じではありますが、造形や釉薬調に関しては中国華南三彩のものと大きく異なります。そこには千利休の「侘茶」の思想や美意識が大きく影響しており、中国華南三彩のカラフルな色釉技法を使用して黒と赤のモノトーンの世界を表現しております。
楽焼という名前の由来としては「聚楽第」近くに居を構えていたこととや聚楽第に屋敷をもっていた千利休の手から世に出されたことから聚楽焼と呼ばれるようになり、やがて楽焼や楽茶碗と呼ばれるようになりました。
今回の作品は13代楽吉左衛門の作品です。そして、裏千家の14代淡々斎の極も書付てあり、とても素晴らしい作品となっております。
「極」とは古美術品・骨董の品に鑑定書代わりに箱などに書かれてあるものを言います。とてもいい作品のみに書かれるものです。